歴史時代作家クラブ公式ブログ

現在活躍中の歴史時代作家が多数所属する文学団体です。時代文庫活性化を目指し、各社から出ている時代小説文庫等の紹介もします。初めにこちらをお読みください。→http://rekishijidaisakkaclub.hatenablog.com/entry/2014/08/01/105546

大河ドラマウォッチ「西郷どん」 第42回 両雄激突

 今週も軽くツッコんでいこうと思います。
 西郷を中心とする留守政府は、大久保や岩倉の帰りを待たずして政策を推し進めていきました。徴兵令。学校教育制度。地租改正。鉄道や製糸場の改良。太陽暦の採用。裁判所の設置など、後の世につながる大きな成果を上げていきました。
 そんなとき、宮中で火事が起こります。火は無事、消し止められましたが、消火の指揮をしていた西郷は、これまでの疲れもあって、倒れてしまいます。
 しばらく療養する西郷。そして大久保が使節団より一足早く帰国するのです。大久保たち使節団は、条約改正などの成果を上げることができませんでした。
 西郷のいない留守政府は、大久保の政治参加を拒否します。だまって立ち去る大久保。
 大久保は療養中の西郷を見舞います。なぜなにもしないという約束を守らなかったのかと責める大久保。政治が止まって困るのは民だと返答する西郷。大久保は西郷に頼みます。留守政府の江藤たちをやめさせ、政府を立て直す。西郷は承知しません。江藤たちは大久保たちが留守の間、政府をしっかり守ってくれた。今の政府に帰国組が加わればいいではないか。大久保はいいます。船頭が多すぎてまつりごとにならない。西郷は諭すように、まつりごととは皆で十分に議論を、といいかけます。それをさえぎり大久保はいいます。
「議論など無用じゃ」
 ドイツのビスマルクは話し合いなどいらないと、力わざで三百の小国をひとつにまとめ上げた。日本も諸藩をまとめなくてはならない。欧米に追いつくために大事なのは、前へ突き進む力だけだ。それに逆らう者は取り除けばいい。
 これには西郷も怒ります。大声で、それなら政府にいないでいい。
「薩摩に帰ったらよか」
 と言い放ちます。
 政府に復帰した西郷のもとに、新たな問題が浮上します。朝鮮国が日本を、西洋のまねごとばかりしている夷狄だと罵り、今後、交易はおろか、国に立ち入ることも許さぬと布告してきました。板垣が立ち上がって発言します。すぐに朝鮮国へ軍艦と兵一大隊を差し向けて、我が国への非礼わびるよう迫るべきだ。西郷は朝鮮国に居留している二千人もの日本人のことを心配します。いくさになれば彼らが人質になるかもしれない。西郷は提案します。全権大使を派遣して、交渉による関係改善に努めるべきだ。しかしそれは危険な任務でした。かの地で殺される可能性もあるのです。自分が行く、と西郷はいいます。皆は賛成しかねる様子です。岩倉が帰ってから決めたらどうか、の意見が出ます。西郷は机をたたいて怒りを発します。
「じゃったらこいは何のための政府か」
 国家の大事にその是非を決められないなら、今すぐこんな政府はやめた方がいい。
って、今回はよく怒るな、西郷は。こんなキャラだっけ。熱血ぶりが帰ってきたということですかねえ、中園さん。
西田敏行のナレーションがいいます。
「こののち、二ヶ月にわたって議論を重ね、この問題は隆盛の朝鮮派遣という形で内定。天子様に上奏した上で、実行に移されることになったのです」
 閣議の席に岩倉が現れました。大久保を引き連れて。大久保はいいます。
「西郷参議の朝鮮派遣のこと、私は今一度考え直すべきだと思います」
 西田敏行のシメのナレーションです。
「大久保の目は、もはや、これまで見交わした友の目ではありませんでした。今宵はここらでよかろうかい」

 

大河ドラマウォッチ「西郷どん」 第41回 新しき国へ

 今週も軽くツッコんでいこうと思います。
 鹿児島では憂さ晴らしに久光が花火を打ち上げていました。
「わしはまだまだ終わらんぞ」
 と吠えます。
 政府は急速に諸制度を改めていました。その中心にいたのはやはり薩摩と長州でした。他の藩の出身者には不満が募っていました。そして欧米へ使節団を派遣することが取り決められたのでした。
 残留組は政府の中心人物が日本を留守にしたときこそ、自分たちの好機と考えていました。
 鹿児島の西郷の家に、文が届きました。菊次郎に対して、異国に留学してみないかという提案の手紙でした。戸惑う菊次郎でしたが、あなたが決めなさい、と糸に厳しく言われます。
 西郷は天子のもとに行き、全国を回って民の姿を見て欲しいと願い出ます。天子の周りは反発しますが、天子自身は西郷の案を受け入れます。
 この頃の西郷は、大蔵省をあずかり、財政をも監督する立場にありました。
 執務を行っている西郷のもとへ、岩倉と大久保が訪ねてきました。自分たちが欧米に行っている間に、政府の方針を動かしてはならないと念を押されます。
 岩倉たちは欧米に出発します。残った西郷は名実ともに、政府を取り仕切る立場となりました。
 事件が起こります。長州出身の山県有朋が政府の金を商人に勝手に貸していたことが明らかになります。山県はその見返りを受け取っていたのでした。山県をどうするかの決断を迫られる西郷。西郷は山県の職を解きます。
 西郷のもとへ、鹿児島の久光から書状が届けられます。薩摩の人々の不満が高まっていると書かれていました。皆、かつてのように島津に薩摩を納めて欲しいと訴えている、久光に県令に成って欲しいと願っている、と久光は言うのです。県令とは廃藩置県のもと、政府が派遣した各県の長官のことです。
 久光を県令にすることはできない、と西郷はいいます。そんなことをすれば日本各地で、かつての藩主たちが勢いを盛り返すに違いないからです。
 皆の不満を抑えるためにも、天子の日本中への行幸が必要だと西郷は考えました。
 明治五年に天子の行幸は行われました。西国を巡り、ついに天子は鹿児島にやってきます。
 久光は天子に目通りしました。久光は天子の洋服姿に驚きます。西郷は天子のそばについていました。
 久光は西郷についてくるようにいいます。久光と西郷は二人きりで話をします。久光はいいます。これが兄の斉彬とお前がつくりたかった国か。西郷は答えに窮します。
 西郷は久光にいいます。
「我らには、思い描いた新しか国があり申した。それを実現するため、時には国父様(久光)をあざむき、お心に沿わぬこともいたしました」
 って、おい、西郷。ぶっちゃけすぎるだろう。あざむいたっていっちゃってるじゃないか。そこは最後までだまし通してやれよ。
 西郷は続けます。しかし今は、亡き殿(斉彬)と目指した所とはかけ離れてしまっている。政府の腐敗一つ止めることができない。
「この、やっせんぼ」
 と久光は大声を出します。やりぬけ。最後までやりぬくんじゃ。倒れたときはこの薩摩に帰ってこい。
 って、かっこいいぞ、久光。ピエロ役ばかりやっていた久光が初めて最高にかっこいい。
 西郷は家に立ち寄っていました。菊次郎が異国に行くことを西郷に願うのでした。

 

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大河ドラマウォッチ「西郷どん」 第40回 波乱の新政府

 今週も軽くツッコんでいこうと思います。
 新政府の不満が高まる中、大久保と岩倉は薩摩の久光のもとを訪れます。久光を東京にのぼらせる目的でした。しかし病気を理由に久光はこれを固辞。
 西郷は岩倉と大久保に久光を東京にのぼらせる目的を聞きます。大久保は西郷に答えます。
「日本全国の藩を取り潰そうち考えちょる」
 今、全国の藩がばらばらに行っている地方のまつりごとを、藩を潰して、政府が直接行うようにする、というのです。いわゆる「廃藩置県」です。
 ここで西郷は一つのアイデアを披露します。反乱をおこす気も失せるほどの強い軍がいる。
「天子様の軍をつくったらどげんじゃ」
 いわば御親兵じゃ。岩倉は西郷のその案に喜びます。大久保もそれを西郷に頼みます。
 場面変わって久光と大久保。久光は病気(仮病)ということで布団に寝ています。
「悪いようにはいたしもうはん。我らと東京へ」
 と大久保が言うと久光は激怒。いつからそのような口をきけるようになった、と怒鳴ります。下がれと命じます。動かない大久保。久光は大久保を打とうとします。久光の打とうとする手を受け止める大久保。
「私はもう島津家ではなく、天子様にお仕えしている身でございます」
 礼をして久光の元から去る大久保。涙を流してそれを引き留めようとする久光。
 あまりにも久光が哀れ。久光のピエロ役もここに極まれり、といった感じです。
 ついに西郷は東京にやってきます。馬車が走り、人力車が行き交う街です。
 大久保邸に板垣や大隈など、新政府の主要メンバーが集まっています。そこに西郷が到着。そこで出されるごちそうに西郷は驚きあきれます。西郷の御親兵案はおおむねメンバーに受け入れられます。
 西田敏行のナレーションがいいます。
「その後、新政府は鹿児島を筆頭に藩士たちを次々と集め、御親兵を発足。政府は八千人からなる軍隊をかかえることになりました」
 薩摩からやってきた藩士が案内されたのは、窮屈な長屋でした。西郷もここで暮らしていたのでした。
 政府の会議はまとまりませんでした。急いで廃藩置県を断行しては、必ず反乱が起こるというのです。さらに兵には金がかかるとの発言も出ます。ここで西郷が発言します。
「簡単じゃ。それなら今すぐ我らの給付金を減らし、質素倹約に努めればよか」
これには皆、黙るしかありませんでした。さらに西郷は皆が贅沢な食事をする中、ひとり握り飯を食うのでした。
 大久保はひとり、西郷の暮らす長屋を訪ねます。大久保はいいます。立派な屋敷に住むのも、贅をつくした飯を食べるのも、異国になめられないようにするためだ。劣った暮らしをしている相手と、対等に話をするものなどおらん。
 へー、なるほど、新政府の贅沢にはそんな理由があったのか。目からうろこ。もしかしてみんな知ってた? 知らなかったの俺だけ?
 頼んだぞ、と言い残して大久保は西郷の長屋を去ります。
 廃藩置県を強行に断行しようとした大久保や岩倉でしたが、土佐など他のメンバーから怒りを買います。こんな政府やっていられるか、と分裂の勢い。
 そこへ西郷が現れます。もう一度みんなが一つになって存分に話し合おう。それでも出てしまうウミは
「反乱でも何でもおいがすべてひきうけもうそう」
 こうして再び政府はまとまったのでした。
 明治四年。諸藩の留守居役などが急遽集められ、藩の解体とかつて藩主の解任。廃藩置県が断行されたのでした。

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